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TIP*S(ティップス)は、中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)が運営する全国の中小企業や小規模事業者、起業に関心がある方などのための場所です。さまざまなワークショップや講座、イベントなどを実施しています。

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レポート アイデア,ワークショップ,価値観,働き方

【レポート】「あなたも“自分サイズ”で働き方をデザインしよう」

開催レポート

2018.4.20 (金) 19:00-21:00

参加者同士で対話をすることで、多様性を感じながら、自分たちがそれぞれ持つ大切な価値観を見つけるとともに、今後の働き方のヒントを得る。そんな対話型ワークショップのレポートです。

レポート詳細

昨今、世の中では“働き方改革”など「働き方」という言葉が溢れ、よく議論されています。日々忙しく生きる私たちは、果たして自分の働き方にどこまで向き合えているのでしょうか。時間や場所に縛られないなど、今、働き方は多様化していて、今後さらにテクノロジーの進化によって変化をしていくと予想されます。
私たちは働くことの多様性を受け入れながら、自分なりの価値観を持って行動していくことがより必要になっていくと言えます。あらゆる変化の速さに翻弄されない、自分にとって心地のよい働き方はきっとあるはず。

今回のイベントは、「あなたも“自分サイズ”で働き方をデザインしよう」がテーマ。 なんでも、今回のテーマは雑談から生まれたのだそう。参加者同士の対話を通じて、自分が本当に大切にしている価値観を見つけ、自分の価値に合った働き方のヒントを得て、明日から生かしていけるきっかけになればと企画されました。

講師は“マサやん”こと中小機構人材支援アドバイザーの加藤正義さん。 加藤さんからこの場への参加について「“今ここ”を大切にして楽しもう、自分と異なる考え方や価値観を受け入れよう、よい場づくりに自分らしく貢献しよう、読める字で書くことを心がけよう」と話がありました。

▲“マサやん”の話を熱心に聞く参加者のみなさん

TIP*Sを訪れる参加者は、それぞれ色々な考えや課題を持って参加します。ほとんどが初対面の中で、いきなり自分をさらけ出せる人はそう多くはいないでしょう。参加に際して、加藤さんから4つのことが伝えられ、この場に集ったメンバーが自分らしく、楽しくいられる雰囲気ができ、参加意識が高まっていきます。

まずは「チェックイン」から。3~4人に分かれたグループで、それぞれが自己紹介や参加理由をシェアしていきます。話終わったら「チェックイン」という言葉を言って終えます。「さぁ参加するぞ」という気持ちになり、さらに場が温まっていくのがわかります。私のグループでは、「将来的に起業できないか考えている」、「サラリーマンの傍ら、週末だけ『気づきのワークショップ』をやっていて、ワークショップを今後どうしていくかの参考にして、考えをまとめたい」といった話がありました。みなさんが、働き方や考えを整理できることを期待して参加しています。

▲直観だったり、悩んだり…選び方はそれぞれ

続いて「ウォーミングアップ」は、お互いのことを知る時間です。多くの写真から今の自分が感じていること、思っていることに近い写真を選定し、選んだ理由、現在の仕事内容や職場での雰囲気を伝え合いました。

ここでだんだんとグループにいるメンバーの仕事や、今置かれている状況がわかるようになってきました。他のグループからも、笑い声や楽しそうに話す姿が見えるようになり、お互いの距離がぐっと縮まっていました。普段から知る間柄ではないからこそ、本音や想いを伝えやすいのかもしれません。

そしてメインの「ワークショップ」に入っていきます。ここでは、価値観の探求やアイデア発想を行いました。
価値観とは「何に価値があると認めるかに関する考え方、価値(善・悪・好ましくないことなど)を判断するときの根底となるものの見方」。加藤さんは、起きている事象がさまざまな要素のつながりがあることで生じているという捉え方「氷山モデル」で価値観について説明します。 起きている事象を氷山になぞらえ、目に見えるものは「出来事」、目に見えていないものは「行動パターン」「構造」「メンタルモデル」の4つの階層に分けてとらえるという考え方です。価値観はこの「メンタルモデル」の部分で、そこをワークで探求していきます。
個々に幼い頃から感じていた好きなこと、楽しかったことなどを挙げていき、互いに聴く、話すといったことで自分自身が大切にしている価値観を探します。そしてそこからイメージされるワードを導き、新しい働き方を持ち帰るアイデア発想を行っていきました。

盛り上がった場面は、他のメンバーから見た自分を伝えてもらうところ。普段、自分がどんなことを大切にしているように見えているのかを、他人から伝えられる機会はそうないのではないでしょうか。出会って間もないメンバーは、この短い時間で私がどう見えているのかという面白さ、「こんな風に見えているのか」という驚きもあり、自分の新たな一面を知ることができました。
実際に参加者の中には「言われてみれば、確かにこんなこと大事だと思っているかもしれない」と改めて気づいた人もいたようです。自分で自身を振り返り整理することも大切な時間ですが、他人からフィードバックしてもらえることも気づきになると実感しました。

続いて加藤さんから、働き方の工夫ポイントとして「時間の使い方、空間(場所)の使い方、モノとの関わり方、人との関わり方といった切り口でみていくことができる」と話がありました。これらの中にある自分にぴったりの、つまり価値観に合うことを見つけ出していくのです。
 
新たな働き方のアイデア出しでは、大切にしたい価値観から連想されるワードをメンバー同士で出し合いました。例えば、「チャレンジ精神」が価値観であれば、連想されるワードは「オリンピック」「海外」「根性」といった具合に出していきます。ここでは、真面目なことだけではなく、たとえバカげたものでもOK。とにかく、否定や批判でなければどんなことでも良しとしました。久しぶりに、連想ゲームをした感じです。場も温まっているので、悩みながらも参加者が楽しんでいるのが印象的でした。

▲「他人からみた自分」を知る面白さがありました

イベント後半に差し掛かると、グループ内では時間が足りないとばかりに、お互いに話をし合っている状態の盛り上がり。
さらに出された連想ワードから考えられる、新しい働き方のアイデアをグループのメンバー同士で導き出していきます。私のグループにいたメンバーの一人は、週末にワークショップをしていること、連想ワードに“自然”や“癒し”といったものが出たことから、「森の中で癒されながら行うワークショップをする」といったアイデアが他のメンバーから提案されました。
今の仕事に通じる働き方もあれば、今まで自分が考えてもみなかったことが出された方もいて、働き方の新たなヒントを得られたようです。

最後は、ワークを通して見えてきたものから「私の働き方」をそれぞれ宣言。 「職場の人に勝手に感謝状を贈る」「月に1回MVPを決めて、お食事会を設定する」といったことを参加者の一人が宣言して、自然と拍手が起こり和やかな雰囲気のままイベント終了となりました。

TIP*Sで行うイベントでは、多種多様な人たちが集まり、互いの想いや学びをシェアしながら、多くの交流やきっかけが生まれています。今回「あなたも“自分サイズ”で働き方をデザインしよう」と題して開催されたイベントも、出会って間もない参加者同士だからこそ等身大の想いを伝え合うことができたのでしょう。対話をすることで働き方の多様性を感じながら、私たちがそれぞれ持つ大切な価値観を見つけるとともに、今後の働き方のヒントを得られる時間になったと思います。
(レポート:草野 明日香)