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「地域の社会課題解決と起業を考える」 シリーズ ③~お茶の力で変わる社会を世界へ~

2025.03.14(金)

19:00-20:30

レポート詳細

シリーズで開催してきた「地域の社会課題解決と起業」セミナー。
第3弾のゲストは、お茶の体験価値を通して、総合的なプロデュース事業を行っているTeaRoomの代表・岩本涼さん。

茶人に憧れ9歳から茶道を学び、大学時代は留学先のアメリカでも現地の人とお茶を介して一つになる経験を重ねた岩本さんは、
「世界中の分断や対立を、お茶の力でなくしていきたい」という思いを持ち、21歳で株式会社TeaRoomを創業。

さらに、「産業やプロダクトとしてのお茶(Tea)と、文化や思想としてのお茶(Room)をちゃんとつなげていきたい」と考え
静岡県本山地域の日本茶工場を承継し、農地所有適格法人の株式会社THE CRAFT FARMを設立。
茶産業で見えてきた課題について、静岡を拠点に取り組んでいます。
その一つが茶産業の複雑な業界構造の変更です。

  昨今、ペットボトルで飲むお茶の需要は増加傾向です。
しかし、急須で入れるお茶とペットボトル用のお茶では求められる品種が違う為、
生産者は求められるお茶ばかりを作らざる得ない構造が生まれてしまっています。
そんな社会課題を解決する為に、茶農家から私たちの手元に届くまでの構造を変更することで、
生産者と購買層が共に利益を得やすいシステムを構築しました。

また「文化や思想としてのお茶」を広めるための事業にも積極的です。
海外のホテルへの茶室設置や大きなイベントでのお茶セレモニーなど、日本以外でのイベントを数多く手がけています。
今、世界的に抹茶はブームとなっています。そして抹茶と言えば日本と言われるのは、
そもそも日本には茶道という「お茶」の文化が存在しているから。
だからこそ「抹茶=日本」というイメージが世界に浸透し、日本での抹茶体験が観光として人気となります。

「文化と産業はつながっている」という岩本さんの言葉を強く意識する時間となりました。
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ゲスト: 株式会社TeaRoom代表取締役/茶道裏千家準教授 岩本涼 氏
ファシリテータ―:株式会社Zebras and Company 共同創業者 ・代表取締役/ 田淵良敬 氏

<参加者の声・アンケートより抜粋>

・産業としてのお茶がなければ文化としてのお茶の価値も上がらない
・「ブランドで産業は変わらない」という岩本さんの言葉が印象に残りました。多数乱戦で際限のない差別化競争に陥っている現状を俯瞰した上で、業界の将来を見据えた力強い言葉だと感じました。
・ものの見方、視座の高さ、広さがとても参考になりました!
・とても刺激的な時間で、勉強になりました。産業を背負っている覚悟というのが節々に感じられるお話でした。一方で自分の甘さを痛感しました。ありがとうございました。