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日本の伝統文化を学ぶ講演会(紹介記事)

2015.07.01(水)

レポート詳細

2015年7月1日発行 中小企業振興 第1147号 3面に本講座の記事が紹介されました。

 中小機構が運営するビジネス創発拠点TIP*S(東京・大手町)は5月27日、文化庁伝統文化課の神代浩課長を講師に招き、▽文化財から見る伝統文化▽日本の伝統文化の特殊性と普遍性▽外国人に日本の伝統文化をどのように伝えるか―などを内容とする「日本の伝統文化を学ぶ講演会」を開催した。2020年の東京オリンピック開催に向け、グローバル化の機運が高まり、海外文化や風習を理解する動きが活発化することが見込まれているものの、外国人に日本の伝統文化をきちんと説明できる日本人は意外に少なく、相互理解のためには、海外文化を知るだけではなく、日本文化を理解することも求められている。同講演会は、こうした考えから開かれた。

 冒頭、神代課長は文化財について「長い歴史のなかで生まれ、育まれ、現在まで守り伝えられてきた貴重な国民の財産である。有形・無形・民族などの文化財のほかに記念物、文化的景観、伝統的建造物群の6つに分類されている」と語った。これらの中で、とくに重要なものを国宝(1,089件)、重要文化財(1万2,936件)として国が指定・登録し保護している状況を分かりやすく説明した。

 続いて日本には〝伝世品〟として先人が意識して残してきた文化財が多くあり、他国との違いは「戦争、盗難などが少なかった、神道の影響が強い、自然の四季が反映されている、他国文化を受容、消化、独自化して形を変えていった」ことなどがあげられると強調した。

 次に、このような基礎知識をどのように外国人に伝えるべきなのかについて、例えば外国人から①神社ではなぜ手を打つのか②お茶を飲むときなぜ器を回すのか③歌舞伎ではなぜ見得を切るのか―などと聞かれたらどう対応できるかを問いかけた。

 神代氏は「伝統文化の場合は説明するのは難しい。専門家ではないので完璧に答える必要はない」とした。その上で、「調べる場合はネットに頼らない。自分の言葉で話す。過剰な説明よりも本人に感じてもらうようにする」ことが大切だと語った。