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都会にいながら出来る地域との関わり方探し

2015.07.01(水)

レポート詳細

2015年7月1日発行 中小企業振興 第1147号 3面に本講座の記事が紹介されました。

 中小機構が運営するビジネス創発拠点TIP*S(東京・大手町)は6月11日、「都会にいながら出来る地域との関わり方探し」と題する講座を開いた。隠岐諸島の一つ、島根県海士町に本社を置く巡の環取締役で中小機構人材支援アドバイザーの信岡良亮氏がファシリテーターになり、約30人の参加者が都会と田舎との新しい関係について一緒に考えた。

 講座ではまず、参加者が簡単に自分のことを書いた「自己紹介シート」をそれぞれ胸の前に掲げ、互いに見せ合って、気に入った人と同じテーブルに着くという方法で4~5人ずつのチームを編成。続いて、信岡氏が自己紹介し、「都会と田舎をつなげて考える」というテーマでプレゼンテーションした。

 信岡氏は東京のIT(情報技術)ベンチャーを経て24歳の時に海士町へ移住。2008年に仲間とともに地域づくり事業などに取り組む巡の環を起業し、14年5月から東京に活動拠点を移して都市と農村の新しい関係を模索しているという。

 信岡氏はプレゼンで、「『田舎の問題』を田舎だけの問題ではなくて、『都会と田舎の関係の問題』ととらえて双方で解決を目指すようになれば」と、講座の趣旨を説明。背景として、人口減少と都会への一極集中が進む日本では、過去の人口増加社会で作ってきたシステムがうまく回らなくなり、人口減少社会に対応した新しい流れを作りだしていく必要があると指摘した。

 そのうえで、田舎と都会を繋げる具体例として、「島の大使館」を東京に作るというアイデアを披露した。大使館には「暮らし」「働き」「学び」のそれぞれを繋げるフロアを設け、例えば「暮らし」のフロアでは島の食材を提供。島で新たに有機野菜を作ろうとした場合に、この拠点を通じて出資を募るなど、「田舎と都会がチームになって、望ましい未来をつくるための文化交流拠点」とするプランだ。

 信岡氏のプレゼンを受けて、聴講者はチームごとにブレーンストーミング。それぞれが考案した都会と田舎を繋げるプランを発表し、意見交換しながら各プランの内容をさらに深めていった。

 なお、信岡氏は、日本の各地域で活躍している人をゲストに迎えてその活動などを紹介する「TIP*Sラジオ」のパーソナリティーも務めている。同ラジオの動画はTIP*Sの公式サイトで見ることができる。